2001年10月15日
西東京市第2谷戸小学校
学校コンサート

アッサン・ジャバイ&JANDOU
           (ジャンドゥ)
MC:マリ

ステージにアッサンひとりが、太鼓を持って登場。
目を見張って、全身の神経を集中させる子供達。アッサンが太鼓をたたきはじめると、それに応え
るように会場の後、横の扉から太鼓の音が聞こえてきた。びっくりして音のする方を振り向
き探る子供達の前に、やがて太鼓を下げたたきながらンジャセ、ユッスウ、マリが現れた!
大歓声を上げる子供達の間を通ってステージに向かっていく。
と!今度は反対側のドアから音が… 期待に目を輝かせる子供たち。サンバと
ヤッサンも登場、やがて全員がステージ上に揃うと、リズムがいっそう盛り上がり
ビシッとキメで終わった。
これがセネガル流のコンサートの始まりかた、「ダジェ」だ。
街中、砂漠を駆け抜けて届く太鼓のリズムは言葉
「コンサートをやるぞーう、みんなここに集まれー!」

「みんな元気ですかあー!?」「イェーイ!!!」
アッサンのコールに、全校生徒が有らん限りの大声で応える。
とっても元気で、のびのびしてて、素直な生徒たちだ。
たくさんの学校を訪れたが、学校によってこんなに違うのかしらん?と驚くくらい、全体
の個性がある。気持ちはウズウズしていても、恥ずかしがりやさんが多いこともある。  
 でも大丈夫!!!!!メンバーは、ちゃんと、観客の気持ちがわかるから… 
みんなが気持ちを解放できるように音楽で一緒に楽しんでもらう。

「イヤオウ」
勇ましい太鼓のアンサンブルに、親しみやすいメロディーの曲、
さっそく子供達が、大きな声で一緒に歌い始めた。もう、体が止まらないってかんじで
踊り出す子もでてきた。会場はすでにアフリカそのものだ。

セネガルを知らない人は多い。しかし今度のサッカーのWカップでアフリカ代表に選ばれたから、
中学生くらいだと知ってる子もいる。ついこの間親善試合まであったばかりだしね。
首都はパリ・ダカール・ラリーのゴール、ダカールだ。
まずは、世界地図を見てもらう。二つの地図は、自然の地形図と国ごとに色分けされて
いるもの。プロデューサーの思いは、ここにこめられている。
もし、日本中心でない地図が学校にあれば、比較も大切。
言葉でなく、生徒たちが何かを感じ取ってくれれば…

次はアフリカ大陸の地図。自然や生活を紹介し、いよいよ珍しい楽器紹介だ!
特大カリンバ(親指ピアノ)のボンゴウ、アフリカンハープのコラ、シェケレ、トーキングドラム、
ジェンベ、マリンバの先祖のバラフォン、そしていろんな種類のサバール…
楽器の名前を大きな声で繰り返す生徒たちは、知らない内にセネガルのリズムをつかんで
いる。言葉とリズムはつながっているからだ。そして、ひとつひとつの音がわかると、
アンサンブルが聞き取りやすくなり、味わい深くなる。

伝達手段以外にも、太鼓は様々な力を発揮し、アフリカの人々は今でもそれを大切ににし
ている。その中でも、グリオ(伝承音楽家)は特別。リーダーのアッサンはグリオの家系に生まれた
ということもあり、いくつか不思議な力を持つリズムを紹介する。
病気を癒すリズム、相撲チャンピオンを鼓舞激励するリズムなど…

さあ、いよいよダンスコーナー。まずはユッスウがアフリカンダンスを披露。
見慣れない華やかな踊りに会場は感嘆の声…
そして、みんなで踊るコーナー。ステージに駆け上がった子たちも、客席の子たちも先生た
ちも全員で、大騒ぎ。みんなが覚えたところで、ダンスナンバーを一曲。

「サンミナミナム、オッオウ、ワカワカメエーレ」歌いながらダンスダンスダンス!

…こんな調子で、会場全体がひとつになった楽しいコンサートも
アッというまに時間がすぎて…

「アドゥナ」美しいバラード。賛美歌を思わせるメロディーをアッサンの指揮で、
みんなで歌う。
アフリカの西の玄関、西欧・アラブ・イスラム・キリスト・アフリカ文化の交流点、セネガ
ルならではの、独特な曲だ。

最後の曲が終わると同時に「アンコール」と拍手の嵐…
しめくくりは、セネガルの子供達が大好きな歌「ガイルガンガイ・ラビ」で、
盛大に盛り上がって、お別れ〜。

***世間では連日戦争のニュース。先生方から、「皆さん、イスラム教徒ですよ
ね?」と、遠慮がちにきかれた。「豚肉は食べないんですか?」「ラマダンはやるんです
か?」「毎日何回もメッカに向かってお辞儀するって本当ですか?」
日本に一番なじみの薄いイスラム教。たまたま、忌むべき形で世界の注目を浴びてしまって
いるこのごろだが、外の宗教と同じで様々な宗派があり、
イスラム原理主義はその中の極端なひとつだ。
私の知っているかぎりでは、アッサンたちは何でも分け合い、道理や仁義、
友情をとても大切にし、争いを好まない。 
今日、日本に住むイスラム教徒は多い。偏見や差別を産まないためにも、
文化交流を通して理解を深めて貰えれば幸いです。


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